第11話

愛絵理 Jul.4

遅くなってごめんなさい。今から、20回くらいに分けてメール送るので番号順に読んで行ってください。分ってもらえると信じていますが、今は色々やることがあって、思うように時間は取れません。(仕事が忙しいの)それに、彼が隼人さんの存在を知ってしまいました。(イベントです)

彼はほとんどパソコンは触らないので、気にせずお風呂に入ったのですが、その間に色々触っていたみたいです。(それとない文章にも”お風呂”とか連想させる言葉を入れ込みます) どうやら全部のメールを見たわけではないので、どういう関係とかははっきり分っていないみたいですが、色々疑っています。

こんな時なのに喧嘩になって、彼は私を殴りました。それで顔が腫れてしまい、今日は仕事は行きませんでした。(悲劇のヒロインエピソードその1)彼に殴られたのは初めてではないのですが、痛みよりも悲しみで押しつぶされそう、、、。いつもいつも暴力的なわけではないのですが、たまに怒ると自分でも抑えることが出来なくなるみたい。(キレる彼・・・)あなたとはどんな関係だと聞かれて、「彼は私のソウルメイトよ、こうやってメールで色々支えていてくれるの」という内容のことを言いました。(言わないでしょ、フツー。でも彼の心をくすぐります)それで切れてしまったの。今後あなたとのメールや電話<電話で話したこと無いと言うのは信用していないみたいです>は絶対にするなと言われました。でも、彼の立場から考えると当然なのかも知れません。
彼は怒りに任せて、私を淫乱女と罵倒しました。
(悲劇のヒロインその2)深く考えずに言ったのでしょうが、私の心は凍りつきました。今私が風俗で働いていること、それはやはり彼の心の奥底に潜んでいるのでしょう。そして、彼は自分の欲望のままに私を抱きました。(彼は何を妄想しているのでしょうか・・)私は彼に抱かれている時、お店のお客さんと同じに感じました。愛ではなく、性欲のはけ口として見られている。そう感じました。こんなに最低な人なのにそれでもやっぱり分かれることは出来ません。隼人さんはまた、「バカだなあ、あえりは本当に、、、」って思うかも知れませんが私自身、愚かな人間なのです。

出会ったのが隼人さんだったのなら、こんな思いもせずに楽しい日々が続いたでしょう。(とは到底思えないが・・・)休みの日は時々二人で遊びに行って二人のプリクラ集めていったり、時には隼人さんが私の部屋に来て私は腕を振るって料理つくるの。一緒にテレビ見ていて、だれそれが綺麗だとかかわいいなんて隼人さんが言って、私は少しすねちゃうの。そんな私を見て、でもオレはあえりが一番好きだよって言ってキスしてくれるの。(おえーっ)そんな日々を重ねてゆき、愛を育んでゆく、、、想像は色々膨らんできます。(スイマセン、個人的趣向に走ってしまってます・・)
それなのにどうして私は彼を選ぶのか、私自身分りません。隼人さんの言う通り、私は誰でもよかったのかもしれません。私のことを愛してくれる人ならば誰でも。
隼人さんには言ってませんでしたが、わけあって私に両親、兄弟はいないの。
(”天涯孤独の身”設定、発生!)だから、愛情に人一倍飢えていると思います。恋人以前に、私の求めるものは家族的な愛情だったと思います。

彼の人格は屈折していて、愛すら歪んだ形で表してしまいます。そんな彼を放っておけません。(屈折しているのは僕です。スマン。)例えば隼人さんの母親は、たとえあなたが何か社会的に咎められるようなことをしてしまっても、やはりあなたの母親で居続けるでしょう。決して、「この子は素行が悪いから、やめて他の子にしよう」なんて思わないはずです。私の彼に対する思いも同じ類のものなのかもしれません。
隼人さんが私のこと想ってくれる気持ち、本当に嬉しい。特に、「逢ったこともないのにここまで一人の女性を思えるなんて不思議だよ。運命って言葉の意味がわかったような気がする。」っていう隼人さんの言葉は嬉しかった。
(でもあんたはあえりが美人って思ってるから熱くなってるのでしょ)会った事が無いからこそ嬉しいの。話したことが無いから信じられるの。また嫌な性格の女の子になってしまうけど、私を見て「愛」を口にする男の人は今まで数え切れない程いたの。(久々の”私は美人”エピソードです)でも、それはあくまでも外見の話。私自身を好きになってくれているわけじゃない。だけど隼人さんは私を知らないんだもんね。他の人とは違うって信じられるよ。でもやはり彼の言うのを無視してあなたとメールを続けることは出来そうにありません。隼人さんも気付いてると思うけど、私自身あなたに対して特別な感情があります。(ますます何とかしたくなるやろ)でもそれ以上に彼は大切なの。ごめんなさい。私は謝ることしか出来ません。そしてやっぱりお別れするしかありません。(押して引いて・・・駆け引きしながら彼を揺さぶります)私なんかじゃなく隼人さんが素敵な女性にめぐり合い、素敵な男性になってください。私はあなたのことを忘れることは決してないから、あなたも私のことを覚えていてください。愛絵理、私の名前「上月 愛絵理」を覚えておいてください。(ここで初めて苗字つけました)

最後に一つお願いがあります。隼人さんは今回の出来事を文書にするって言ってたでしょ。その前に、もし私達二人のこれまでのメールのやり取りが残っているのなら、それをまとめて私に送ってくれませんか。(自分でまとめるのダルイです・・)前にも言ったけど、私は送信も受信も保存していないの。でも、隼人さんとのやり取りは風化させずにずっと取っておきたい。(だって笑えるんだもん)だから欲しいの。できるだけ早く、送って欲しい。このメールもいつまで使っていれるか分らないし。今日は深夜にもう一度メールチェックしようと思ってます。返事待ってます。
///な、長い・・・。ボク病んでますね。妄想癖はボクかもね。天涯孤独の身という、今時流行らない設定を作ったものの、詳細な内容はまだ決めておりません。脚本家の苦悩・・・。///

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